ダート戦線の若駒事情その2〜ダート界不遇の時代を超えていけ!〜【不定期ダートコラム】#18

前回の更新
ダート戦線の若駒事情その1〜ヒストリックノヴァの大井転入を思う〜

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今回は一つ別のコラムを挟みましたが前回の続きをお送りします。

JRAでダート路線が整備されない訳

私が子供だった事もありそこまで物事を知らなかった事もあるが後に自分で調べたり人から聞き伝えられた話では、
フェブラリーSがG1昇格前からしたらこれでも随分とJRAでもダート路線が整備されたみたいではあるがそれでも地方競馬との交流元年以降、JRAと地方公営は交流レースを積極的に行って来た現在もJRAではG1レースは前述したフェブラリーS、チャンピオンズカップ(旧ジャパンカップダート)のみでG2に至っては東海Sのみで後のダート重賞は全てG3となっているが・・・

根本的な問題点はJRAには競馬法により年間開催日数は288日、1日の一つの競馬場での開催につき上限は12Rまで、年間最大3456Rまでしか開催出来ないのが法によって決められている事に尽きると個人的には思う。

古今の競馬界の事情を見れば明らかな事があり個人的には悲しい事ながらダートレースはレース単体としても売上高で言えば低く、ダートの歴代のチャンピオンホースで種牡馬入り出来ても種付け料の値段設定を見ても比較的芝馬のスターホースに比べて安価なのはセリで値が付かない、早熟に仕上がり早の馬が産まれたとしてもJRAのダート戦線の番組を見ても中々使えるレースが無い、イコール賞金が稼げない事情を考えると当然なのである。

近年種牡馬価値が減少しレース番組も冷遇されている芝馬のステイヤー(長距離路線)も近い事情を抱えていると言える。

(あまり知られていないがJRAは距離別出走奨励賞として芝レースに関して1800m以上の距離は三段階で奨励賞と言う形で保護されてる面では長距離馬に関しては少し恵まれてはいるが)

JRAに関しても限られたレース番組の中で色々試行錯誤はしているのは見ていて分かるが(葵Sの重賞化など3歳芝短距離路線への等色々テコ入れはしているが)

それでもダート戦線は不遇な時代はまだまだ続きそうだ。

降級制度廃止や限定未勝利戦(スーパー未勝利)廃止による影響のところも影響しているのでは?

近年のネット投票の活性化により馬券売上回復などで売上低迷時に生産数、JRAへの登録数の低下傾向にあった中地方競馬の廃止ラッシュを見ながら危機感を憶えJRAも馬房数の削減やそれなりの対策して来た中逆転減少なのか廃止した競馬場の影響もあり国内の生産数減少の中2008年頃からJRAの登録数は増加の一途を辿り、競馬ブーム時の登録数6500頭からジワジワと増えて行き2020年末には遂に8000頭の登録数までなったのは驚きである。

日本中の馬達がJRAに一極化で集まった背景もある。

捻れ現象が起こりだしたのである

地方競馬廃止ラッシュその後のJRAはパート1国としてJPN1では無く国際グレードのG1格を正式に取得した辺りで国際化へ向けて進んでる途中での出来事であり、
国際グレード取得は年単位のレーディングありきで認められないといけないのでとてもじゃないが現状ダート路線整備どころじゃなく今の路線整備の強化が先でずっと長年放置気味になっているのが今の現状なのである。

登録数増加で除外ラッシュに対抗すべく馬の回転、循環をより均等に行うのは降級制度廃止や未勝利戦の番組を減らし勝負で勝つチャンスの無い馬達には早期に退場させるしか無いのが今の現行の制度であり現状にも繋がっていると感じる。

(降級制度廃止や限定未勝利戦廃止も細かく書けば未勝利戦3アウトなど様々な事があるがそれはまた別の機会に)

現状の制度では法改正しない限りこの登録馬数では番組が現状維持で精一杯なのである

番組数でも冷遇傾向のダート馬がそう言った事情で煽りを受けるのは悲しいながら自然な事なのかも知れない。

前回から書いている若駒のダート事情に話を戻してみよう。

前回軽く触れた様に仕上がり早い早熟傾向な馬なら使いたいレースにも使えず本当に適性あるのか微妙な距離設定などを無理して使ったりと
選択出来る番組数の幅の狭さからレースもロクに使えず賞金もロクに積めず番組も少なくと色々な問題に直面した結果、
本格化の兆しを少し見せただけで競走馬のピークを過ぎてしまったりなどは良くある話である。

それではダートで活躍した種牡馬への種付けも人気も集まらず、その子供も高値で取引される事も無いそんな状況が長らく続いていたが・・・

それでも近年はダート馬達の状況が少し変わって来た様に思う

そんなダート戦線冬の時代の中

(その時代でも歴代でも今でも人気なダート戦線黄金期や名勝負があった)

しかしここ十年で大きな変革期を迎え出した。

前述した様に馬券のネット投票が普及したのと廃止ラッシュで下火となった長年の経営努力を続けた地方競馬の売上が盛り返し出し、そんな番組編成の中稼げないより走れないよりとJRAから転入する馬達がチラホラ出始め各地方競馬でも走り始めそれに伴い人気も競馬のレベルも盛り返し出したのである。

ここ数年はネットでの無料のライブ放送とネット投票の合わせ技により地方競馬人気、売上とも回復傾向で今までどうしても下に見られて来たダート競馬も世間に認められ初めて各交流戦重賞では売上を伸ばし続けそれは地方競馬バブルと繋がり各地方競馬場も賞金額にも反映され今現在も回復傾向とダート馬の地位も一時期に比べて随分と上がって来たのである。

JRAの転入馬は当初こそJRAと地方競馬とのレベル差もあり関係者、ファンからは冷ややかな目で見られてはいたが各地方競馬のホースマン達も意地となり、それが相乗効果となり徐々に地方所属馬のレベルも上がり始め、JRAの下級条件で頭打ちだった馬が南関競馬などへ移籍後無双どころかそれが難しくなっており。

更に地方競馬の売上V字回復、賞金増により中小の生産者達はダート血統への種付けにも目を向け毎年ダート種牡馬も人気になるなど大きな変化が訪れた。

そして馬主達も安価なダート馬でも現実的な賞金獲得を目論んで今までJRA一辺倒だった選択肢も各地方競馬へも目を向けられ始めたのである。

今年に入っては地方交流戦重賞で地方所属馬しかも地方生え抜きのカジノフォンテンが制覇、
こちらも地方生え抜きのミューチャリーが地方所属馬初となるJBCクラシック制覇と息を吐く様になって来た。

この二頭も血統を見ても地方競馬じゃなくともデビューしている様な馬ではあるがそれが今では南関競馬でデビューさせる時代が訪れている。

これを書いている私も当然ハイセイコーなどの地方競馬が大人気だった時代もオグリキャップが騒がれていた時代の地方競馬も勿論知らないのでこれは大きな変革期と見て驚いている。

当然前回のコラムで書かせて頂いたヒストリックノヴァも南関競馬へ編入しJRA所属じゃ出れない南関競馬のクラシックレースに選択肢を広げた方が競走馬としても賞金的にも夢は見れる事も間違い無く。

逆に地方所属馬としてJRAのレースに遠征する事も可能となる。

BCディスタフでマルシュロレーヌが歴史的勝利を納めた時にこれからダート路線の在り方や見方が変わってくれればと思ったが、

〈マルシュロレーヌコラム〉
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本当に今後変わって行きそうでもありファン達が思っている以上に長い年月は掛かるかも知れないがこのままの状態が続きダート人気が更に高まった頃JRAは再びダート人気、地方競馬人気に脅威を感じ番組編成もテコ入れが入る事に今後期待したいと思う。

長々と書いて来たが南関競馬へ転入したヒストリックノヴァ初め数々の馬達も

後に続く後輩ダート馬達の為に頑張って貰いたい。

応援している!

競馬法改正などでレース数上限が変わりJRAでもダート戦線のクラシック的な路線整備される様な日が私が生きてる間に来ればと願う。

ダート界不遇の今の時代を超えて新しいダート新時代を夢見て。

〈中山ダートコラム〉
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〈今週水曜大井メイン勝島王冠(S2)追い切り〉
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