ダート専門無料ブログの【砂の祭典】がお送りするダート忘備録シリーズ。
6/7(水)の南関二冠目の東京ダービー(SⅠ)を無敗で制したミックファイアの忘備録変わりの考察ブログ更新となります。
当ブログ【砂の祭典】開始時の2019年の段階では南関競馬では後に
地方馬初のJBCクラッシック(JpnⅠ)を制したミューチャリーや、川崎記念(JpnⅠ)やかしわ記念(JpnⅠ)を制す事となるカジノフォンテンが3歳クラッシックを闘っている時期であったが当時は考察ブログを更新する余裕が無かったのもあり考察出来ていなかったので今回折角の機会なのでブログにてしっかりと能力などを考察していきたい。
〈2023年6月8日現在の情報です〉
ミックファイア 考察
牡3歳
南関競馬 大井 渡辺和雄厩舎所属
生産者(産地)
高橋ファーム(北海道 新ひだか町)
代表生産馬 ユウキソルジャー、リリーミニスター、ブラッディーキッド、フルム等
馬主 星加浩一氏
主な所有馬
JRA
ダッシュザクラウン、ワールドレーヴ等
地方
ミックファイア、セイカメテオポリス 、ナイトオブナイツ等
ミックファイア 血統面
五代血統表
(参照元:netkeiba.com)
父シニスターミニスター
母マリアルージュ
母の父ブライアンズタイム
五代血統表の中で内包するインブリードはMr. Prospector(ミスプロ)の5×4で母のマリアルージュからの牝系からは特に目立った活躍馬こそ出ていないが三代前母のオールアロングはフランス生産馬であり1983年の凱旋門賞を制しておりその前年の1982年にはジャパンカップにも遠征しており2着の実績もある女傑。
ミックファイアの兄弟などはこれと言って突出した活躍馬がおらず日本国内の地方競馬で長く走っているところを見れば母の父のブライアンズタイムの血がやや奥手ながらも末永く走る血統構成と呼べる。
父のシニスターミニスターからは堅実なダート路線の産駒を出すがテーオーケインズやヤマニンアンプリメ、インカンテーション、キングズガード等のようにたまに大ヒットクラスを定期的に出しており今回は育成環境と気性にポテンシャルの開花が上手く開花した感じであるが
ミックファイアの血統構成を見るにシニスターミニスターの日本のダートの適応力とエーピーインディ(A.P.Indy)系のスピード力や仕上がりの早さに
母系のブライアンズタイムから来るロベルト(Roberto)系の成長力と底力にミスプロ(Mr. Prospector)のインブリードがアクセントとなっている事がこの馬のポテンシャルへと繋がる配合例。
個人的な考察で申し訳ないのだが…
あまり良い言葉では無いが雑草魂溢れる血統構成の中でのポイントはミスプロのクロスで間違いないのだが母系のミスプロの下は欧州の名馬ミスワキ(Miswaki)も大いに当馬へ与える影響は大きいように思う。
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ミックファイア これまでの戦績
2歳時
9/23 デビュー戦 大井ダ1600m 重 1着
戦前から渡辺調教師は能力試験の走りを評価し初戦から期待したいと前向きなコメント
新馬戦からスピードの違いで最内枠からハナに立ちそのまま逃げ切る5馬身差圧勝。(上がり3F38.5秒)
11/1 2歳自己条件 大井ダ1600m 良 1着
新馬戦同様内目の枠から逃げてそのまま5馬身差圧勝。(上がり3F38.5秒)
12/7 ひばり特別 2歳選抜 JRA指定 大井ダ1800m 不良 1着
1800mへ距離延長となったが。
不良馬場も全く苦にせず最内枠から逃げて3馬身勝ち。(上がり3F38.4秒)
2着馬は3歳春のクラッシック前哨戦でもある京浜盃を制すサベージ。
3歳〜
雲取賞から始動予定も裂蹄の為回避し直行ローテーションを選ぶ。
5/10 羽田盃 SⅠ 大井ダ1800m 稍重 1着
裂蹄の為外厩へそして認定外厩ミッドウェイファームからの初の輸送競馬。
爪の影響は大丈夫と陣営はコメントも長期休養明けのぶつけ本番。
やや雨の影響残る中を初めて番手の競馬を経験して直線向いたところでは早くも先頭に立って1.50.9の好時計で上がり3Fは37.2秒と驚異的な脚を見せて2着のヒーローコールに6馬身差圧勝。
6/7 東京ダービー SⅠ 大井ダ2000m 重 1着
長期休養明けの前走羽田盃ではパドックで子供っぽさをやや見せながらも落ち着いたしっかりとした歩様だったのだが一転して東京ダービーのパドックはイレ込みに落ち着かず力む素振りや発汗が見られパドックや返し馬そして輪乗りではテンションは終始不安定。
レースはスローの中2番手から進めて直線入口には先頭にそこからは1頭だけ別次元の脚を見せ勝ち時計は2.04.8秒上がりの3ハロンは37.0秒と2着ヒーローコールには6馬身の1.2秒差を付けて快勝。
ミックファイア これまでの追い切り時計
2歳時
デビュー戦
在厩調整で大井外回りコースで乗り込む。
1週前はラスト3ハロンを38.5秒を出してたが特に目立った数字でも無い。
(追い切り動くタイプならデビュー前や2歳時でも37秒代を出す馬も)
2戦目
在厩調整 最終追い切りは年長の格上馬バリチューロ(B2)と併せ馬で初めて大井の外回りコースで63.9秒-50.2秒-37.1秒と目立った時計を出し前走使った事で追い切りも動けるようになっていた。
3戦目 ひばり特別
在厩調整。
最終追い切りは1歳年上のネオリッキーと併せ馬し最後は強めに追って
66.5秒-51.5秒-37.0秒
と初めてラストは37.0秒フラット。
3歳〜
休養に入り南関クラッシックへの前哨戦でもある雲取賞へ向けて調節されていたが裂蹄を発症して故障の為予定を変更し羽田盃へ直行のローテーションを決定。
羽田盃 SⅠ
裂蹄の為外厩へそして認定外厩ミッドウェイファームからの初の輸送競馬。
最終追い切りはミッドウェイファームの坂路である程度強めに追って仕掛け
38.3秒-24.6秒-12.3秒
東京ダービー SⅠ
前走同様認定外厩のミッドウェイファームで調整。
最終追い切りはミッドウェイファームの坂路である程度負荷を掛けながら強めに追って
38.3秒-24.6秒-12.3秒
ミックファイア の能力考察歴代の南関最強馬や強豪馬との比較(南関三冠へ向けてJDDや古馬戦線へ向けて)
まずは能力の目安となる比較を知る為に圧巻の内容だった東京ダービーを振り返る
東京ダービーは重馬場の速い時計が出るコンディションであったが
前半1000m通過が63.7秒のゆったりとしたスローペースの中
後半1000mは61.1秒とかなり優秀な後半の5ハロンのレース時計でラップで書き出すと
12.2秒-11.9秒-12.6秒-11.9秒-12.5秒
勝ち時計は 2:04.8
いくら速い時計が出易いコンディションの中とは言えこの勝ち時計と
上がり3ハロン37.0秒はそう易々と出る時計でない事は確か。
1999年に東京ダービーが2400mから2000mに変更されてから途中砂や砂厚など状況が変わって単年で過去と比較し難いものの
東京ダービーのレースレコードタイムであり
近年の東京ダービーは
2020年 良 エメリミット 2:06.9
2021年 良 アランバローズ 2:06.6
2022年 重 カイル 2:07.1
と馬場状態や傾向など一概に比較するのは難しいが近3年ですらこれを見ただけで一目瞭然である。
これまでの東京ダービーでの歴代レコードは2007年の良馬場でアンバサンドがマークした2:05.0であったが当時は砂厚が違い速い時計が良馬場でも今より速かった事を背景に考えると如何に突出した勝ち時計なのが理解して貰えると思う。
南関で近年で稀に見る高レベル世代と呼ばれた2019年クラッシック世代の東京ダービー勝ち馬ヒカリオーソ(その後故障で長年悩まされ現在高知で復帰)の世代は
2着はミューチャリー3着ウインターフェル4着には今は高知の雄となったグリードパルフェ本格化前とは言え6着だったのはカジノフォンテン
がいた世代ですら勝ち時計は2:09.4だったと思うと最近のファンでも比較し易い。
南関所属の古馬との比較
先日のかなり好メンバー揃った古馬のSⅠ
大井記念は同じ大井ダ2000mで定量戦であるが
牡馬57キロ固定で東京ダービーとは1キロの斤量差はあるとは言え勝ち馬のセイカメテオポリスが
含水率の差はあるが同じような重馬場で
ある程度流れた中1000m通過は61.9秒で
2:05.2
の勝ち時計で制しており現時点で1キロ重く背負ってもここに入ればペースが違うとは言え現時点で好勝負出来る裏付けでもある。
JDDへ向けてのJRA勢との比較は?
南関牡馬クラッシック三冠目がJRA勢との交流戦重賞の通称JDDことジャパンダートダービーとなり南関所属馬にとって鬼門とも言えるのだが。
JRA勢のダート路線は2歳、3歳は現状路線整備されておらずその為来年の2024年からJRA勢と地方所属が激突するダート三冠シリーズがスタートする事となったが
現時点で比較は時期尚早とも言えるが…
物差し(モノサシ)理論は個人的には殆どアテにならないが自論の著者ではあるが今回は比較を明確化する為に少々物差し理論を使う事にするが…
兵庫園田での交流戦である兵庫チャンピオンシップ(JpnⅡ・ダ1870m)を6馬身差圧勝している
・ミトノオー
〈参照先:netkeiba.com〉
この馬を比較の物差しとして用いる事とする。
兵庫チャンピオンシップの前走は中山の伏竜S(OP)へ出走し1:51.9と快勝しているがそのレースでは羽田盃2着、東京ダービー2着のヒーローコールも南関からJRAに遠征して初の坂のある中山で1:52.7の3着に好走。
この時点でミトノオーとヒーローコールとのタイム差は
0.8秒差
しかしヒーローコール
が羽田盃、東京ダービーでミックファイアに付けられたタイム差は
なんと1.2秒
これだけを考慮しても舞台や時期に状況が違うとは言え
ミックファイアは勝ち負けレベルにあると見てとれるが今回は更に深掘りして…
そのヒーローコールが羽田盃前の前哨戦の雲取賞で降した相手はその直後アメリカ遠征してサンタアニタダービー(GⅠ)で南関所属どころか日本所属馬としては快挙のハナ差2着でその次走は本場アメリカのケンタッキーダービー出走までこじつけた・マンダリンヒーローである。
そのケンタッキーダービーでは2歳時全日本2歳優駿(JpnⅠ)やUAEダービーを制した・デルマソトカゲが出走。
デルマソトカゲやマンダリンヒーローのケンタッキーダービーの場合アメリカの土ダートや異国への遠征でともに結果と繋がってないので
川崎マイルでの全日本2歳優駿時のほうが比較し易いのでそこで比較となるが…
全日本2歳優駿時点のデルマソトカゲとヒーローコールとの差は0.9秒
ケンタッキーダービーでは特殊な状況と言いつつデルマソトカゲとマンダリンヒーローとのタイム差は2秒あるので都合の良い切り抜きで多少こじつけ気味ではあるが…
物差し理論で考えると
ミックファイア自身がJRAと南関含めても世代最強に近い存在と言っても現時点では過言では無い
その理論で言うと
JDDは単純に勝ち負け出来るポテンシャルは持つと見て良さそう
(今回は説明の為物差し理論を用いた書き方となりましたが競馬は生きている競走馬が走って競い合う故に展開面状況や簡単に着差タイム差は簡単にひっくり返りますので過信は禁物です)
近年で言うならばミューチャリーは東京ダービーは2着であったがJDDでは勝ち馬のクリソベリルから0.6秒差の3着とは言え2着のデルマルーヴルとはタイム差無しのアタマ差であり、
世代レベルがどうかわからないので比較のしようがないものの個人的にはフリオーソ位突出した存在だと見ている。(フリオーソ自身は羽田盃3着、東京ダービーは2着だがJDDを制し3歳秋時点でJBCクラッシックはヴァーミリアンの2着)
直近3年のJDD勝ち馬のタイムと馬場差
2020年 重 ダノンファラオ 2:05.9
2021年 稍重 キャッスルトップ 2:05.9
2022年 不良 ノットゥルノ 2:04.6
パッとこれだけ見ても
ミックファイアの東京ダービーの勝ち時計
2:04.8
は普通に考えてもJRAとの交流戦重賞のJpnⅠのダートグレードのJDDでも勝ち負けレベルなのが窺える。
ミックファイア JRAとの古馬との交流戦重賞(ダートグレード)へは通用するのか?
競走馬が順調に成長するかどうかは正直様々な複雑要因が噛み合っての事なのでこればかりは競馬をある程度の期間見ていれば理解出来ると思うが現時点では時期尚早過ぎるので差し支えさせて貰うが…
(単純な時計比較で見ても現時点の2:04.8なら時計遅い年の帝王賞なら好走レベルには該当はするが古馬の斤量背負った上2:02.3〜0.4辺りがここ2年の勝ち時計なのでこのまま古馬のトップレベルのJRAダート馬比較じゃまだ今後の成長力ありきとなるが3歳のうちは別定で斤量差が効くので3歳末までは例えJBCやチャンピオンズカップ等に出走して来ても好走圏内にあるのは確かだが…)
タイム差と斤量を比較したが南関古馬戦線なら現時点でもトップと渡り合えるポテンシャルはあるがJRAトップレベルと渡り合えるか?否かは今後の成長次第と言ったところかな?
あとがき
現役で走ってる馬に対して軽々しく最強や怪物を口にするのはあまり好まない著者自身なのだが…
ダート三冠が始動を控え、
南関所属馬だけのクラッシック最後の年にとんでもなく化け物クラスの南関生え抜きが出て来て競馬ファン、そして南関ファンとしてとてつもなく嬉しく思いこれを読んでくれてる皆様ももっと南関競馬に興味が出てくれたのなら書いてる私も幸せです。
長くなりましたが今回のミックファイア考察は以上となります。
〈おまけの追記〉2023年 JDD結果と回顧
以上が今回の忘備録更新となります!!
最近更新した考察や忘備録シリーズなど
JRAの2023年ダート3歳世代の有力馬についてはこちらの更新ブログでダート戦線の35頭分徹底考察してますのでよろしかったら是非どうぞ。